基礎合奏で大事なのはメニューや内容よりも目的を理解すること

基礎合奏のメニューに困っている。

 

吹奏楽の経験がほとんどなくてよくわからないし、最近では生徒も退屈そう。

 

新しい内容を取り入れたらいいのかしら?

基礎合奏のメニューをどうしようかとお悩みの顧問の先生や、学生指揮者の方もいらっしゃるかと思います。

あるいは、基礎合奏の譜面が簡単で飽きてしまった、いろいろなメニューに取り組みたい、という奏者の方もいるかもしれません。

 

ただ私は、基礎合奏のメニューを変えるだけでは大きな効果は出にくいと考えています。

基礎合奏は、メニューや内容そのものよりも、演奏者側・指導者側の両方が目的を理解して取り組むことが大事だと思うからです。

基礎合奏の目的

基礎合奏に共通の目的は、「他人の演奏を聴きながら自分も演奏する」練習をすることです。

「自分と周りの両方に意識を向ける」とも言えます。

 

もちろん、ロングトーンのときは音質・音程・音形、スケールのときにはなめらかさ・音程…などというように、メニューによって気をつけるとよいポイントは違います。

しかし、基礎合奏なのに個人練習と同じようなポイントしか気にせず、自分にしか意識を向けられていないことは意外と多いです。

 

私も、高校のころまではそうでした。

「自分の譜面の完成度を高める」ことばかりに意識が向いていて、他の人と一緒に演奏するという感覚があまりありませんでした。

せっかくみんなが集まって合奏をしているのに、これでは効果が薄くなってしまいます。

 

あるいは逆に、「周りに合わせる」ことを「自分を殺して、隠れて演奏する」ととらえて、音量が小さくなったり、テンポが遅れてしまう人もいます。

この場合は、自分をもっと前面に押し出して演奏する必要があります。

(もちろん、指揮者に「もう少し抑えて」と言われたら抑えましょう。)

 

基礎合奏ではこのように、自分と他人のバランスをうまくとったり、人と一緒に演奏している感覚に慣れることが大事です。

曲に比べて基礎合奏の楽譜が簡単なのも、こうしたところに意識を向けやすくするためでしょう。

「自分と周りの両方に意識を向ける」方法

まずは隣の人に注目してみる

「自分と周りの両方に意識を向ける」ために、まずは隣の人に注目してみます。

具体的には、隣の人が

  • どんなことを演奏しているのかな?
  • どんな音色かな?
  • どういう風に演奏している?

といったことに意識を向けながら、自分の譜面も演奏します。

 

隣の人の演奏に無理に合わせようとする必要はありません。

自分の演奏を聴きつつ、上で述べたようなポイントにも注意する

これにより、自分と隣の人の両方に意識を向けられますし、そうすると演奏が自然とそろってくることもよくあります。

同じような動きをしている楽器を知る

隣の人で慣れてきたら、自分の譜面と同じような動きをしている楽器にまで意識を広げてみます。

たとえば、チューバ・バスクラリネット・バリトンサックス・コントラバスの低音楽器とか。

クラリネット・アルトサックス・トランペットなども動きや音程が同じことが多いですね。

 

市販されている基礎合奏の教則本では、あらかじめこのようなグループ分けがされていることもあります。

わからないときにも、スコアを見てみると自分と似た動きのパートを見つけられるでしょう。

このように、同じグループの人を知り、そこを意識しながら演奏してみます。

 

繰り返しになりますが、自分を殺して同じグループの人に合わせにいこうとする必要はありません

同じグループの人の演奏を聴きつつ、自分も普通に演奏する。

このようにして、自分と他人の両方を意識に含めていきます。

最終的には団全体まで意識を広げる

最終的には、団全体まで意識を広げられるとよいですね。

一人一人が何をやっているか、どういう吹き方か、まで完璧に把握する必要はないですが、

  • 「このパートがこんなことやっているな」ということが何となくわかる
  • 自分と似た動きをしている人がいることに気づく
  • 誰かが楽譜を間違えて演奏していたり、音程・音型がずれたりしていることに気づく

などができるようになってくるかと思います。

 

基礎合奏でこれができて、曲の合奏でも活かせるようになったら…

楽団の演奏がとてもよくなるし、何より演奏が楽しくなると思いませんか?

 

ただし、はじめからこれをやろうとすると情報量が多すぎて混乱してしまうでしょう。

また、全体に自分を合わせようとして隠れて演奏してしまったり、団員同士が探り合ってお見合い状態になりやすいです。

まずは隣の人と一緒に演奏する感覚をつかんで、そこから意識を向ける範囲を少しずつ広げていくのがよいと思います。

MEMO

よく「周りをよく聴いて」というアドバイスがされます。

 

もちろん、よくなればそれでよいのですが、探り探りになってしまって音量が小さくなったり、誰に合わせていいかわからず逆に演奏がちぐはぐになったりしてしまったこともあります。

 

そのようなときには、経験上、隣の人や同じグループなど意識を向ける対象を明確にするのがよいと考えています。

おわりに

基礎合奏は、譜面は簡単ですが、ここで述べたようなことを意識すればとてもよい練習になります。

また、もちろん個人の演奏の質(たとえば、発音・音の処理・音質など…)にも気を配る必要があります。

まずはできる範囲から、自分自身を含めたいろいろなところに意識を向けてみてください。