楽器を吹いていると、息が続かなくて困ることがある。
曲のあるフレーズの途中で、どうしても息を吸わないといけなくて、流れが途切れてしまう。
基礎練習でも、みんなは16拍ロングトーンとかやってるけど、自分はそこまで伸ばせない…。
何か吹き方に問題あるのかな?
管楽器を吹く場合、息を上手にコントロールすることがとても重要です。
しかし、どれだけ頑張っても息が足りなくて、途中で吸ってしまったり。
基礎練習でも、他の人より息が続かなくて困ることはありませんか。
「息が続かない」という問題に対して、考えられることをいくつかあげてみます。
呼吸を確認してみよう
まず、「息を十分に吸えているか」という観点から、呼吸について確認してみましょう。
こちらの記事の後ろのほうにある、ブレストレーニングとそのときに気をつけるポイントや、

腹式呼吸のポイントを整理したこちらの記事を一度ご確認ください。

特に、二つ目の記事で書いた「鼻や口で頑張って吸おうとしすぎ」というのは、当てはまる方が多いかと思います。
たとえば、「スゥーーー」と大きな音を立ててブレスをする方が見受けられます。
おそらく、鼻や口にたくさん息を通そうとした結果、そのような音が出るのでしょう。
しかし、音が出ているということは息が通るときに抵抗があるということ。
実際に吸えている息の量は思っているよりも少ない可能性があります。
呼吸は肺が膨らんだり縮んだりして行われるもので、鼻や口は息の通り道でしかありません。
このことを意識して、肺の大きさの変化を観察しながらゆったりとブレスしてみましょう。
音への変換効率を高めよう
次に、「息が音に効率よく変換できているか」という観点から、楽器の吹き方を確認してみます。
楽器を鳴らすのに必要な量よりもたくさんの息を、「フーーーッ!」という感じで入れていないでしょうか。
頑張って吹いている割に、音に変換される効率が悪いので、すぐに息がなくなってしまいます。
楽器を吹き始めた初心者の方に多いと思います。
慣れるまでしばらくはそのような吹き方でもかまわないと思いますが、慣れてきたら以下のことを試してみましょう。
- まず、今ふつうに吹ける音量で四分音符を吹いてみます(吹きやすい高さの音でいいです)。
- 次に、同じ音で、それよりも音量の小さい四分音符を吹きます。
- さらにそれよりも小さい音で吹きます。
- どこまで小さくできるか試してみましょう。
息や口、のどなどのことは考えすぎずに、音量と音色(いい音か、音量が小さくなっても音色が同じか)に注目します。
「これは簡単」という方は、デクレッシェンドで連続的に音量を小さくしてみましょう。
最初は、mpくらいまでしか下げられないかもしれません。
最終的には、「鳴っているかいないかわからない」くらいの音量まで下げられるように、試行錯誤してみてください。
このように小さい音をコントロールできるようになることで、必要以上に息を入れなくても音が出せるようになってきます。
そうすれば、無駄になる息の量も減るので、ある程度長いフレーズでも余裕をもって吹けるようになるでしょう。
息の節約よりブレスの工夫
上のことを試しても息がもたないときには、「息がなくならないように、節約しよう」と考えがちです。
しかし、その結果、ヒョロヒョロの息や苦しげな音になってしまう。
これでは本末転倒ですよね。
一度試しに、「息が途中でなくなってもいいや!」と思って、たっぷり息を使って吹いてみましょう。
苦しくなってきたら、音の変わり目で、楽器を吹こうとするお腹周りの力を緩めてみてください。
息がガバッと入ってきませんか?
このように、息がなくなってきた段階で吐くのをやめると、肺には自然と空気が入ってきます。
これを利用して、瞬時にブレスをとりつつ、フレーズを吹いていくという手もあります。
もちろん、フレーズが完全につながることはなく、多少は途切れてしまいます。
しかし、その前も後もたっぷりの息で吹いていますし、ブレスの時間も短くなるので、音楽的に不自然に聞こえる可能性は少なくなります。
録音したり、人に聞いてもらったりして、より自然なブレスがとれるよう研究してみましょう。
また、同じ譜面を吹いている人が複数人いるのであれば、ブレスの位置をずらすことでより自然に聞こえるでしょう。
基礎練習で息が続かないとき
最後に、基礎練習について。
基礎練習でロングトーンをするときに、人よりも先に息がなくなってしまって「息が続かない」と思う方が多いようです。
しかし、以下の記事でも書きましたが、ロングトーンの基本的な目的は「よい音色・音質を追求すること」です。

仮に16拍とか伸ばせても…拍数を伸ばすためだけにヒョロヒョロの息や苦しげな音になるようなら、あまり意味ないですよ。
それよりも、4拍くらいでいいから、いい音を追求してみましょう。
基礎合奏などで非常に長い(楽器にもよりますが、8拍以上)ロングトーンをしなければならないときは、ズルしてもいいので途中でこっそり吸いましょう(笑)。
それも許されなさそうなときは、基礎合奏のときだけと割り切って、音色を犠牲にして伸ばさざるを得ないでしょうか。
おわりに
「息が続かない」という問題について、
- 息を十分に吸う
- 音への変換効率を高める
- 息がなくなることを怖がらずに吐き切る
という3つの観点からまとめました。
また、基礎練習でのロングトーンについても書きました。
いろいろな観点から、チェックしてみてください。