吹奏楽部の合奏中、顧問の先生に「次の合奏までに、ここできるようにしといて!」と言われた。
意気込んで、100回繰り返し練習したものの、次の合奏で「あまり良くなってないな…」と言われてしまった。
練習の仕方が悪かったのかな?
もちろん、できないところや苦手なところを繰り返し練習するのは大切です。
しかし、ただ闇雲に繰り返すのではなく、少し立ち止まって考えながら練習すると、上達の速さは段違いです。
楽器でうまくいかない部分を変化させてみる
楽器を練習していてうまくいかない部分があったら、関係しそうなことを何か一つ変化させてみましょう。
経験上、次の3つのポイントのどれかを変えることが多いです。
- テンポ
- 譜面
- 音量
具体例
たとえば、速いパッセージで指が追いついていないとき。
テンポを徐々に上げていくなど、テンポを変化させる練習は、やっている人も多いかもしれません。
それ以外に、楽譜を変化させる練習法も効果的です。
たとえば、こんな譜面をさらうとき、
付点のリズムで練習したり、
音を一つずつ増やしていったりします。

あるいは、ピアニッシモのソロで音がかすれてしまったり、ハーモニーが揃わなかったりする場合。
「小さくする」ということにとらわれすぎて、体が硬くなっていたり、息が充分に出せていなかったりすることがあります。
そんなときは、いったん普通の音量で吹いてみて、「こういう響きがするんだな」というのを確認する。
それに慣れてから、少しずつ音量を下げていく。
このように、音量を変化させることもあります。
なぜ変化させるの?
できていないからと焦って、同じ部分を同じように繰り返しても、同じ結果にしかなりません。
ましてや、繰り返すことで「できていない状態」を体に覚えこませてしまいます。
まずは少し立ち止まって、「何が原因でできていないのか?」を考えて、それを変化させます。
変化させた結果を見てみる
うまくいかない部分を変化させてみたら、次は「それでどうなったかな?」を見てみます。
結果は3パターン
結果は大きく分けて次の3パターンしかありません。
- よくなる
- 悪くなる
- 変わらない(わからない)
よくなったら…おめでとうございます!
そこで初めて、「反復練習」で慣れることに意味が出てきます。
悪くなっても、落ち込まなくて大丈夫。
そのやり方が合わない、ということがわかったので、別の方法を試してみましょう。
変わらない、よくわからないというのが一番難しいですね。
でも基本的には、別の手を考えるのがいいと思います。
ひたすら繰り返すよりも変化させたほうがいい
「何を変えたらいいのか、見当もつかない」という人もいるかもしれません。
「これを変えるのが絶対的な正解!」というものもないので、いろいろ試してみるのがよいと思います。
もちろん、改善につながりやすい手とつながりにくい手があるのは確かです。
しかし、大事なのは「何を変えるか」よりも、「変化させてみよう」という考えを持っていることだと思います。
また、顧問や外部講師の先生方に意見を聞いてみるのも一つの手です。
可能なら、プロのレッスンを受けてみるのもいいでしょう。
いずれにせよ、ただ繰り返し練習するよりも、いろいろと分析して変化を試してみたほうが、長い目で見て早く上達できると思います。
おわりに
楽器を長いことやってきた人は、このような考えが自然と身についている場合も多いです。
何を変えるかという引き出しもたくさん持っていると思います。
楽器を始めてから日の浅い、中高生の方々などの参考になればと思います。