吹奏楽部に入って、楽器を毎日練習するのが楽しい。
もっと上手くなりたいし、コンクールでもよりよい結果が残せたらと思う。
でも、同級生や後輩には練習に真面目に取り組まずにサボる人がいる。
注意してみたけど改善する様子もなくていらいらする。
どうしたらいいんだろう?
吹奏楽部ではありがちなお悩みですね。
さらに注意を重ねてみたり、ミーティングを開いたり、顧問の先生に注意してもらったりすることで、改善はするかもしれません。
でも、それであなたがしんどくなって、部活に行きたくなくなってしまっては本末転倒ですよね。
この記事では、部員間でのモチベーションの差について、ある一つの前提をご紹介します。
その上で、私ならこうするかな、という対策を2つ提案します。
どんな組織でも意識の低いメンバーが一定数いる
まず、前提として頭に入れておいていただきたいことですが、どんな組織でもメンバー間でのモチベーションの差は存在します。
私が現在所属している一般団体でもそうですし、これまで所属してきた団体でもそうでした。
あなたが目標としているプロの楽団や全国大会常連校でも、団員全体が同じモチベーションや意識で取り組んでいることはまずないでしょう。
これは科学的にも証明されています。
「2:6:2の法則」「働きアリの法則」「パレートの法則」などという言葉をご存じでしょうか?
ある組織のうち、
- モチベーションが高くてよく働くのは全体の2割
- モチベーションが低くてさぼりがちなのは全体の2割
- それ以外の6割は中程度のモチベーション
というものです。
さらに、その組織の中からよく働く人だけ、またはサボる人だけを取り出して別の組織を作っても、また2:6:2に分かれます。
真面目に部活に取り組んできた人にはショックかもしれません。
しかし、このことを頭に入れておくと、「やる気がない人がいるのは仕方ない」と、いい意味でのあきらめがついて気が楽になりませんか?
少なくとも、「ちゃんとやってよ!」と怒って神経をすり減らすことは少なくなるでしょう。
サボる部員に対する2つの対策
しかし、あきらめるばかりでなく、どうにか対策を取りたいですよね。
私は以下の2つを提案します。
基本的には1つ目の方法で部活全体の雰囲気を盛り上げていってほしいと思います。
しかし、どうにもならなくなって自分が潰れてしまったり部活が嫌になってしまうようなら、2つ目の選択肢もありだと思います。
「音楽に熱心に取り組むことは面白い」という派閥を増やす
1つ目は、自分が中心となって組織全体のレベルを上げていこうよ、という方法です。
このような悩みを持つくらいなので、おそらくあなたはパレートの法則でいう上位2割にいるのでしょう。
ということは、団員の2割はあなたと同じように真面目に取り組んでいるはずです。
その人たちと一緒に、
「できることが増えてくると楽器って楽しいよね」
「練習して上手くなりたいよね」
「こんな曲が吹けるようになりたいね」
といったポジティブな思いを共有しながら、練習して高め合ってほしいのです。
もし、そうやって音楽に真摯に向き合っている姿が楽しそうなら、6割の人たちも「なんだか楽しそう」となって練習に取り組むようになるでしょう。
サボっていた2割の人たちも、「あれ、なんかみんな最近楽しそうだな…」という雰囲気が強くなれば、真面目とはいかなくても練習に顔を出すくらいにはなるかもしれません。
あるいは、方向性が離れすぎてついていけず、組織を去っていくかもしれません
(去らせることが目的ではありません。念のため。ただ、私が過去に経験したことです)。
このように、2:6:2の割合はそのままで、組織全体のレベルが上がっていきます。
私がかつて所属していた楽団でも、モチベーションの差が問題となっていました。
そこで私は、やる気のある人たちと好きな音楽について語り合ったり、暇なときにアンサンブルで遊んだりして、「音楽ってやっぱり楽しいよね」という雰囲気を時間をかけて作っていきました。
すると、その人たちが6割の人たちに働きかけてくれて、練習を進めてくれるようになりました。
最終的には、練習で多くの団員が活発に議論するようになるなど、非常によい雰囲気がつくられていきました。
理想論的な部分もあるでしょう。
しかし、サボる人からいったん目を離して、自分ができることに集中するのが重要です。
自分の実力を高めることに集中する
サボる人の数がすごく多いし、練習に出ている人もあまり協力してくれそうにない。
顧問の先生に相談しても改善のために動いてくれなさそう。
そんな環境で孤軍奮闘している人もいるかもしれません。
基本的には、1つ目の方法で、部活全体を盛り上げていってほしいと思います。
しかし、そのことにしんどくなったら、「部活は自分自身の実力を高める場所だ」と割り切り、一人で練習に励むのもいいのではないでしょうか。
ドライな考え方かもしれませんが、あなたがその部活にいるのは人生の中でわずか3年弱です。
音楽や楽器は本来、生涯にわたって楽しんでいけるはず。
それなのに、他の人のためにつまらなくなって辞めてしまうのは、すごくもったいない。
だから、「将来音楽を楽しむために今は実力をつける」と割り切るのも一つの手だと考えます。
そんな選択肢も、最終手段としてあっていいのではないでしょうか。
これもある意味、サボる人から目を離して自分自身に集中することになりますよね。
おわりに
サボる部員に困っているあなたに、「パレートの法則」とそれをふまえた2つの対策を紹介しました。
「相手を変えようとするのではなく自分が熱心に取り組む」ことがポイントかと思います。
自分自身の実力アップになりますし、うまくいけば部活全体のレベルや雰囲気向上にもつながるでしょう。
参考になれば幸いです。