チューバが「遅い、重い、遅れる」と言われたときに意識したいこと

チューバを吹いていると、よく「遅い」と指摘される。

 

「遅い」ということなので少し速めに吹くけど、なんだか不自然でやりにくい。

 

どうしたらいいんだろう?

チューバという楽器は、どうしても「遅い」「重い」「遅れる」と言われがちですね。

私も、過去に何度も指摘されてきました。

 

ネットだと、

  • タンギングをはっきり吹きましょう
  • 音の頭を少し速めに発音しましょう

などのアドバイスを見かけます。

もちろん、これで改善すればOK。

しかし、音の頭だけが異常に強かったり、逆にテンポがどんどん速くなってしまったりと、音楽的に不自然な演奏を耳にすることがあるのもまた事実です。

 

ここでは、チューバの音の出だしについて、意識的な面からのアプローチを紹介します。

メロディーや指揮者についていきすぎ?

チューバはメロディーもほとんどなく、いわゆる伴奏楽器に分類されます。

しかし、自分のパートを「伴奏」と考えると、メロディーを聞きすぎたり、指揮者の出すテンポを見すぎたりして、「ついていく」演奏になってしまいます。

 

もちろん、メロディーがどういう風に吹きたいか、指揮者がどういうテンポで振っているかを観察するのは大事です。

でも、それに「合わせよう」「つけよう」と思った時点で、音の出だしが一瞬遅くなります。

また、音楽の流れや進み方もメロディーに対して若干遅くなります。

これが、「遅い」と言われる一つの原因ではないかと思うのです。

改善のためのアプローチ例

たとえば、次のようなつもりで吹いてみましょう。

  • 自分が音楽を進めているつもりで
  • 自分の出すビートにバンドが乗っかるつもりで
  • 自分の音が一番最初にホールに聞こえているつもりで
  • メロディーの音の流れを先読みして、自分の音を出すつもりで
  • メロディーと並走するつもりで

 

人によって、合うアプローチは違います。

ある方法ではあまり効果がなかったり、逆にテンポがどんどん速くなってしまうことも。

また、ここに書いていない考え方もあるでしょう。

自分がうまくいくものを探してみましょう。

自分から音楽やテンポを発する

いずれにせよ、上で挙げた考え方は、「少し速めに」というアドバイスとはちょっと違います。

遅いと言われたから機械的に速くするのではなく、チューバ吹きのあなたが率先して音楽を進めていってほしいのです。

 

このように「自分から音楽やテンポを発する感じ」が伝わると、「遅い」とは言われにくくなると思います。

自分で音楽を進めるのは、アンサンブルで特に有効

今回は、合奏で「遅い」と指摘される場合を想定して書いています。

しかし、この「チューバが自分から音楽やテンポを発する感じ」は、アンサンブルで非常に効果を発揮すると思っています。

 

たとえば、金管アンサンブルの曲冒頭の合図(ザッツ)は、たいていトランペットが出しますよね。

私は中学生のころ、それを見て、「トランペットの出したり吹いたりするテンポが絶対なんだ!」と思いました。

そして、曲の頭も、曲が始まってからのテンポや吹き方も、すべてトランペットを聴き、そこに合わせにいっていました。

 

しかし、トランペットを聴いて合わせにいっているので、演奏はどんどん重くなります。

トランペットの人も、低音が引きずるように感じるので、吹きにくかったのではと思います。

 

その後、高校や大学で、

  • トランペットなどのザッツを出す楽器についていくのではなく、そのテンポ感を自分も共有する
  • メロディーパートに伴奏としてついていくのではなく、自分も主体的に音楽を進める

ということを学びました。

 

これができれば、合奏だけでなくアンサンブルでも、自分たちで音楽を進めることができ、とても楽しくなると思います。

むしろ合奏よりも人数が少ないぶん、チューバがちょっと変えたときに全体に与える影響が大きいのでしょうね。

自分の中にテンポ感がない場合とその対処法

「自分からテンポを発して音楽を進める」と書いていますが、その感覚がよくわからなかったり、うまくいかないという方もいるでしょう。

 

そんなときには、個人練習などのふだんの練習から、メトロノームの出すテンポ感を自分の中にももつように練習をしてみましょう。

詳しい方法はこちらに書いています。

テンポ感やリズム感を鍛えるためのメトロノームの使い方

ご参照ください。

おわりに

チューバが「遅い」「重い」「遅れる」と言われるときに、意識や考え方の面からできるアプローチを紹介しました。

 

もちろん、タンギングをはっきりしたり、出だしから音が鳴るように練習したりして改善することもあるでしょう。

それこそ、「少し速く吹く」やり方が一番合っているよ、という方は、それでもいいと思います。

 

それとは別の、一つのアプローチとして、参考になれば幸いです。